ヒトメタニューモウイルスが流行しています。

なんだか強そうな名前ですが2001年に発見された風邪のウイルスです。

症状はRSウイルスと似ていて、ほとんどは風邪症状で終わりますがごく一部ゼーゼーを伴う肺炎などを引き起こすこともあります。

生後6か月頃から初感染が始まり,2歳までに50%,5歳までに75%,遅くとも10歳までに一度は感染します。RSと同じく人生の間で何度も感染します。

潜伏期間は4-6日で、ウイルス排泄は1~2週間持続するとされています。

残念ながら、現時点ではインフルエンザのように特異的な治療はなく、他の風邪と同じく対症療法が治療の中心です。

 また、感染がわかっても新型コロナのように一定期間登園が禁止されることもありません、

ヒトメタニューモウイルスの迅速検査(インフルエンザのように鼻から行います)は2014年に保険適用となりましたが、画像診断(X線など)や聴診で「肺炎が強く疑われる6歳未満の患者」が適応となっています。

本来の検査の目的は「肺炎の患者さんを見たときに、その原因を調べる」ことが目的ですので、外来で行う必要はほとんどありません。

不顕性感染が多いこと、ウイルス排泄期間が長いこと、感染力が非常に強いことから、保育所など集団生活を行う場で感染をコントロールすることは残念ながら不可能と考えられています。

飛沫感染なので、手洗いなどは有効です。

重症でない熱、咳、鼻水の方は、インフルのように痛い思いをして検査するメリットはないので、これまでどおり風邪だと思って対応して頂ければ十分です。